猫の爪跡がついた壁紙でも
自分でキレイにできます
「おうちのネコちゃんが壁紙で爪を研いでボロボロにしてしまう...。」これは愛猫家の方にとっては永遠の悩みですよね。
「でも、壁紙を貼り替えてもまたすぐボロボロになるからこのままでいいや」と諦めていませんか?
そんな飼い主さんにおすすめなのが、壁紙を剥がして塗料(ペンキ)で塗装する方法です。
壁を塗装をすれば表面がやや硬くなるため、猫ちゃんが爪とぎをしなくなるケースが多いんです。しかも、臭いが少なく安全性の高い水性塗料を使えば、DIY初心者さんでも気軽にチャレンジできます。
このページでは、壁紙を突き破り石膏ボードにまで達してしまった傷の補修から塗装方法まで、DIYで壁をキレイにするやり方を詳しくご紹介いたします。
壁を塗り替えて、素敵なお家で愛猫と暮らしませんか?
壁紙をはがして石膏ボードを
塗装する方法
準備するもの
猫のひっかき傷をイメージして作った壁紙と石膏ボードの見本板を使って、塗装方法を詳しく説明していきます。
塗装の準備
換気を良くして、汚れても良い服装で作業します。砂壁についたホコリを雑巾やハタキを使って落とします。作業中の部屋には猫ちゃんが入ってこないように注意します。
塗らない部分を養生する
塗らないところをマスキングテープなどで保護します。この作業を「養生(ようじょう)」といいます。
角や隅は、しっかりと貼ります。四隅など、フチに合わせて余分なマスキングテープはカッターで切ります。
例1)コンセント等の細かい部分も塗料が染み込まないようにしっかりと養生します。広くマスキングテープを貼った後、不要な部分をカッターで切り取ると簡単に養生できます。外せるパーツは取ってしまうのも1つの手です。
例2)ドアや窓、家具等の広い範囲を覆う時は、ビニールとテープが一緒になった「布マスカー」を使うと便利です。マスカーはマスキングテープの上から貼ります。床に敷いた布マスカーはズレやすいので、ビニールの端にマスキングテープを貼り付けてしっかり留めます。
壁紙を剥がす
まず、壁紙をはがします。爪跡が入った部分はちぎれやすく一気に剥がすのは難しいですが、根気よく作業しましょう。
壁紙の裏紙が壁側に残ってしまいますが、塗れば分からなくなるのでそのままでも問題ありません。もし、裏紙が簡単に取れそうなら剥がしてください。
壁紙を剥がすとこのような石膏ボードの壁になります。石膏ボードまで傷穴が貫通していることが分かります。
紙やすりで表面を整える
やや表面が荒れている(凸凹がある)ため、紙やすり#320で爪で研がれた傷がある部分のみ、やすりがけを行います。
やすりがけ完了の目安は、手で触ってみて出っ張ってる部分がなくなった状態です。
パテで傷穴を埋める
パテを傷穴に沿ってのせます。のせたパテを平らなもので削ぎ、傷穴を埋めていきます。
パテはそのままでも使用できますが、硬く伸びが悪い時は少量の水を加えて練ってください。パテをのせ終わったら、約4〜5時間程乾燥させます。
パテが乾いたら、紙やすり#320を使って表面をなめらかにします。まだ気になる凹凸があれば、「パテを盛る→乾燥させる→表面のやすり掛けを行う」の工程を再度行います。また、やすりがけで出た粉はきれいにふき取ります。
含浸シーラーを下塗り
含浸シーラーをよくかき混ぜ別容器に移し、垂れないように少しずつ刷毛やローラーで塗り広げます。全体にしっかり塗り終わったら2時間程乾かします。
※含浸シーラーを塗る時に使った塗装道具を、色を塗る時にそのまま使用しないでください。水でよく洗ってから使用するか、色を塗る用の塗装道具を別で用意してください。
含浸シーラーを塗ることで、はがれかけている裏紙や穴埋めに使ったパテがしっかりと壁に引っ付き固まるので、キレイに仕上がります。
膨れてきた部分があったら
壁紙を貼っていた糊が少ない部分にシーラーが染み込むと、裏紙が水気でたわんで膨らんだようになることがあります。乾くと引っ張って平らになる場合があるので、焦らず乾くまで様子を見ましょう。
もし、乾燥後も膨らんでる部分があれば、その部分は剥がしてしまったほうがキレイに仕上がります。
色を塗る(1回目の塗装)
缶を開けるときは、ヘラやマイナスドライバー等を使い、缶を回しながら少しずつフタをこじ開けます。ポリ容器を開ける場合は、フタのフチの部分を全てめくり上げて開けます。
フタを開けたら中の塗料をよくかき混ぜ、塗りやすいように別容器に移します。少し塗ってみて塗りにくい場合は、塗料に対して5〜10%の水でうすめ、さらによくかき混ぜます。
まずは、刷毛を使って細かい部分を塗ります。
続いて、広い面をローラーで塗っていきます。1回目の塗装ではムラを気にせず薄く塗りひろげていき、全体が塗れたら乾かします。乾燥の目安は触っても手に塗料が付かない程度です。
2回目の塗装では、1回目の塗装の薄い部分やムラになっている部分を中心にていねいに塗り重ねます。
透けやムラが残る場合は2回以上塗り重ねます。特に白っぽい色や黄色、赤系色は透けやすいので、塗り重ねの回数が多くなりやすいです。重ね塗りの間は、都度しっかり乾燥させるときれいに仕上がります。
養生をはがす
塗料が乾ききる前にマスキングテープをはがします。はがしづらい時は、カッターで切り目を入れます。
もし、塗り残しや塗料がはみ出た所があれば修正します。細かい所の修正には小筆があると便利です。塗りたくない部分に塗料がついてしまった場合は、水拭きですぐにふき取ります。
完成 キレイな壁になりました

塗った色:TAKARATORYOオリジナルカラー「
オイスターホワイト」
ボロボロでみずぼらしい状態だった壁紙を剥がして、石膏ボードを塗ることで、またキレイな壁になりました。
汚れてきたり、また色を変えたくなったときは、上から塗りかえるだけでOK!掃除やお部屋の模様替えの感覚で、これからも壁塗りを楽しんでくださいね。
仕上がりを比較してみました
画像は左から「➀ 元の状態の壁紙」→「➁ 壁紙を剥がした石膏ボード」→「➂ パテなしでそのまま塗った壁」→「➃ パテで傷穴を埋めてから塗装した壁」です。
パテを使った➃が一番フラットに仕上がっています。
ですが、まっ平にパテを盛らなきゃと肩ひじを張る必要はありません。むしろ「漆喰風に少し模様付ける!」ぐらい気持ちで楽しく作業してもおしゃれに仕上がります。ぜひチャレンジしてみてください。