モルクラフトはごく普通のダイニングテーブル等の上に直接施工可能です。
ただ、今回は折り畳み式テーブルを一枚板に変えたかったので、机の上に被せる天板を作り、モルクラフトを塗りました。
※ちなみに、テーブルはIKEA(イケア)NORDENシリーズのゲートレッグテーブルです。
やすりがけの作業をする際にかなり粉が飛ぶので、周囲の床や家具等の汚したくない場所を覆います。
組み立ての際にできたビス穴の凹みをパテで埋めておきます。パテが乾いたら、紙やすりを使って表面を平らにします。
べニヤ合板等の木材にモルクラフトを塗る時は、事前に含浸シーラーを下塗りして木のアク止めをする必要があります。全体に塗れたらしっかり乾かします。
続けて、専用プライマーを塗ります。必ず決められた割合でうすめて、よくかき混ぜてから使います。ローラーを使って塗り広げ、全体に塗れたらしっかり乾かします。
「木目を消したい」「継ぎ目が気になる」等の場合は、ベースを中塗りします。必ず決められた割合でうすめて、よくかき混ぜてから使います。
コテを使ってうすく均一に塗り広げます。均一にうすく塗るのがポイントで、厚さの目安は1mmです。専用ベースが塗れたらしっかり乾かします。
板のつなぎ目がある場合は、ひび割れを防ぐためメッシュテープを挟みこみます。この時、メッシュテープの網目が浮き上がらないように気をつけます。
ベースがしっかり乾いたら、紙やすりやサンダーを使って表面を平らにします。特に、凹凸の目立つ垂直面は念入りにおこないました。やすりがけで出た粉が多く飛びますので、マスクや換気を忘れずに。
いよいよモルクラフトの主剤を塗ります。色はタカラ塗料オリジナルのおしゃれな濃いグレーです。
1回塗り目は薄く塗って柄を付ける目的があります。コテの動かし方で雰囲気が変わってきます。円を描くように柄をつけると柔らかい印象になるそうです。
側面に塗る時は、角ばったコテが便利でした。全体に塗れたらしっかり乾かします。
1回塗り目で凹凸をつけすぎると、2回塗り目に影響するので注意が必要なのですが、案の定凹凸をつけすぎてしまった感が...。でも、やすりがけすれば問題ありません。
こういったリカバリーが可能なところも、DIY初心者の方にとっては安心ですよね。
2回塗り目は、1回塗り目で出来た凹凸を埋めるようになだらかにするのが目的。やすりがけで削り過ぎたり、欠けてしまった部分には、刷毛やコテで主材を塗ってリカバリーしました。
ここからが、マイクロセメント「モルクラフト」のメインとなる工程です。少しだけ乾燥(10〜15分くらい)させてからきれいなコテを水平に当てて、コテ面全体を使って表面を平らにするように撫でて表面を磨きます。
この「少しだけ乾燥」は重要なポイントで、「表面に触れてしっとりした感触だけれど、手につかないくらい」が最適な状態です。
コテの動かし方によって、模様は自在に変わります。ですが肩ひじは張らずに、色んな動かし方を試しながら好みの模様をつけていくのがコテ塗りを楽しむポイントです。
コテで磨くと表面のキメが細かく詰まり、材料に含まれる雲母が角度によってキラキラと輝く美しい仕上がりになります。表面に光沢が出てくると思わず「おおっ!」と感動しました。
塗り終わったら、しっかりと乾燥させます。早く完成させたい気持ちを押さえて、一晩置いてから次の工程を行いました。
専用トップを2回塗り重ねます。必ず決められた割合でうすめて、よくかき混ぜてから使います。
表面の細かな穴の中までコテで押し込むように1回目を塗って乾かしてから、また2回目を塗ります。ちなみに、2回目を塗る前に全体にやすりがけを行うと、より表面がなめらかになります。
24時間しっかり乾かすと、完全に表面が固まってベタつきもおさまります。
完成です!コテでつけたムラのある模様がおしゃれに仕上がりました。ひんやりとした石のような手触りです。
元のテーブルでの撮影と、モルクラフトで作ったテーブル天板での撮影の違いをご覧ください!
全く同じ場所と角度と照明の下で撮影したのに、ソースカツ丼が非常においしそうに見えるようになりました。うっすらと光沢のある仕上げのトップが光を反射させているからなのでしょうか。もちろん、画像は一切加工していません。これには驚きました。