モルクラフト5つの特長
1. 水回り施工OK
常に水が掛かるようなシンク、キッチンカウンターや洗面台、シャワーブースなどに継ぎ目なく美しい施工ができます。
2. 屋外施工OK
優れた耐候性と高い強度を兼ね備えているため、屋外の玄関周りや駐車スペースにもご使用いただけます。
3. シンプルな材料構成
主材は容器の蓋を開ければすぐに施工できる仕様。使う分だけ出して使えますのでロスが抑えられます。
4. 作業工程が少なく短い工期
コテDIY初心者の方にもわかりやすい施工手順。一般的なマイクロセメントと異なり、3m2程度であれば2日で施工可能です。
5. メンテナンス性の高さ
保護剤不要。汚れや熱、水分やアルコール除菌などにも強いトップコートを採用。住居や商業施設の施工に最適です。
モルクラフトと他社製品の比較
タカラ塗料の「モルクラフト」と、日本国内においてマイクロセメントの認知度が高い他社製品との比較をまとめました。
|
モルクラフト |
他社製品 |
施工する人 |
初心者でも可能 |
講習会を受講した施工業者 |
施工手順 |
3〜4工程 |
5工程 |
工期※ |
2日間 |
5日〜1週間 |
1m2当たりの材料単価 |
9,200円〜 |
20,000円前後 |
油の飛び散り、熱い鍋の直置き、水分の長時間放置 |
目視での変化はみられない。 汚れテストの詳細をみる>> |
シミや汚れの原因となるので、すぐに拭き取る必要がある。 |
アルコール除菌 |
目視での変化はみられない。 |
使用不可 |
※施工面積約3平米を想定
モルクラフト構成
マイクロセメント「モルクラフト」の基本的な構成はこちらの4層になっています。屋内外の床面に施工する場合は、素材に寄らず専用強力プライマーを使用します。
さらに、厚手のメッシュシートを専用ベースを使って床全面に埋め込むように張ります。(メッシュの伏せ込みと言います)こうすることで、硬く丈夫で防水性と対候性に優れた美しいマイクロセメントの床に仕上がります。
モルクラフトの塗り方
(床面施工)
Before
昭和の古い物件の玄関口に貼ってあるタイルの上からモルクラフトの施工を行います。
1. 下準備
汚したくない場所をマスキングテープとビニールシートやノンスリップマスカ―などで覆います。施工面の砂埃などは事前に掃除してきれいな状態にしておきます。
密着性を高めるために40-60番程度の紙やすりを使って、表面が曇る程度にやすりがけを行います。やすりがけをして出た粉はきれいに拭き取っておきます。
2. モルクラフト専用強力プライマーを下塗りする(1度塗り)
容器をよく振ってから取り出し、薄めずそのまま使います。塗り残しのないよう注意しながら、施工面全てにローラーで塗り広げます。
目地部分も刷毛を使って丁寧にモルクラフト専用強力プライマーを塗ります。
塗布後、2〜3時間程度乾燥させます。
モルクラフト専用強力プライマー塗布後の状態です。
3. モルクラフト専用ベースを中塗りする
モルクラフト専用ベースに対し「25〜40%程度」の割合で水を加え、なめらかなペースト状になるまでよく混ぜます。 かくはん棒やヘラを使って底面からしっかり混ぜ、セメントの粉が残らないようにします。
コテを使って、モルクラフト専用ベースを塗ります。目地を埋めながら平らな表面になるように塗りつけます。
タイルの目地が深い場合は、目地の部分を先にパテで埋めてしまう方法もございます。
モルクラフト専用ベースを塗った上にメッシュシートを敷き、モルクラフト専用ベースで全面伏せ込みます。
メッシュシートは施工の際に手が届く範囲を考慮して、カットして少しずつ伏せ込んでいきます。
塗布後、6〜8時間程度しっかり乾燥させます。
表面や目立つ凹凸や角は、乾燥後にサンドペーパーでやすりがけを行い、平らな状態にしておきます。
乾燥すると、メッシュシートが透けて見えてしまっているので、1回目よりもやや水分量多めに溶いたモルクラフト専用ベースを塗布してメッシュシートの目を完全に消す作業を行います。専用ベースを塗った後は、3〜4時間程度乾燥させます。
「モルクラフト専用ベース・メッシュシート・モルクラフト専用ベース」の構造になるため、専用ベースは通常の倍量必要になります。
モルクラフト専用ベース塗布後の状態です。
4. モルクラフト主材の準備をする
カラーボトルが付属している場合は、以下作業を行います。
モルクラフト主材(プライマリーホワイト)に、付属するカラーボトルの全量を加えて着色します。カラーボトルはよく振り、中身をすべて主材に入れてください。容器に顔料が残ると色ムラの原因になるため、ボトルに少量の水を加えて振り、残った顔料もすべて主材に加えます。
色が均一になるまで、付属のかくはん棒やヘラを使い、底からしっかりと混ぜます。かくはん機を使用すると、より効率的に混ぜることができます。
5. モルクラフト主材1度塗り目 凹凸をつけるようにうすく模様をつける
容器の中身をよくかき混ぜて必要量を取り、塗っていきます。
最初から柔らかいペーストになっているので非常に扱いやすいです。主材は2回塗る必要があります。
1度塗り目は模様付けの目的があります。必要量目安は1m2で500gを使うくらい。ひきずるようにしたり、大きく動かしたりと、コテの動かし方で色々雰囲気が変わってきます。円を描くように柄をつけると柔らかい印象になります。凹凸をつけすぎないよう注意します。
角の部分は、角を押さえるコテが便利です。
1回目を塗った後、2時間以上乾燥させます。1度塗り目で凹凸をつけすぎると2度塗り目に影響するので、凹凸が気になる場合は、乾燥後に紙やすりやサンダーでやすりがけしておきます。
6. モルクラフト主材2度塗り目 平らに塗り重ね凹凸を無くし磨く
1度塗り目で出来た凹凸を埋めるようにコテでうすく塗り広げて平らにします。
2度塗り目も必要量は1m2で500gを使うくらいの目安です。
ここからが、マイクロセメント「モルクラフト」のメインとなる工程です。
少しだけ乾燥(10〜15分くらい)させてからきれいなコテを水平に当てます。コテ面を使って磨いていくことで表面のキメが細かく詰まり、材料に含まれる雲母が角度によってキラキラと輝く美しい仕上がりになります。
表面に触れてしっとりした感触だけれど手につかないくらいがコテで磨くベストな状態です。コテでなぞって取れたり、面にゴミが出る場合は早すぎるのでもう少し乾燥させる必要がありますが、逆に乾燥させ過ぎると磨き作業ができないので注意が必要です。コテは常にきれいな状態で磨きます。
モルクラフト主材を塗った後はしっかりと乾燥させます。一晩置いて翌日に次の工程に進むことをおすすめします。
黒い筋が付いてしまうときは
コテの摩擦熱で付く画像のような黒い筋のことを「コテ焼け」と言います。特にうすい色の場合は、そのコテ焼けが目立ってしまいます。以下の対処法をご参考ください。
方法1 凹凸を極力つけないようにする
モルクラフト主材塗り1回目から、凹凸が付き過ぎないように平らに塗ることで、コテ焼けは軽減されます。
方法2 プラスチック製のコテを使用する
ステンレスの摩擦によってコテ焼けが発生するので、ホームセンターなどにあるプラスチック製のコテを使用することでコテ焼けは発生しません。ただしプラスチック製のコテはやわらかいため、力を入れて磨く作業には向いていません。
また、ステンレスのコテ面にテープを貼って磨くことでコテ焼けを抑えることもできます。
方法3 うすくモルクラフト主材を上塗りする
2回目のモルクラフト主材塗りと磨き工程のあと、うすく3度目のモルクラフト主材を塗ります。
方法4 300番程度のサンドペーパーでやすりがけをする
コテ焼け部分だけを集中的にやすりがけするのではなく、全体的にぼかすようにやすりがけすることをおすすめします。
モルクラフト主材工程終了の状態です。
7. モルクラフト専用トップコートを上塗りする
モルクラフト専用トップコートはA剤とB剤と水を混ぜて使うタイプです。A剤とB剤と水は混ぜ合わせてから時間が経つと固まってしまうので、都度使う分だけ混ぜ合わせます。
A剤容器の中身は、取り出す前によくかき混ぜます。必要量のA剤とB剤をしっかり混ぜてから、水を加えてよくかき混ぜます。
割合は「A剤:B剤:水=5.2:1:0.9」。
1度塗り目はコテで、2度塗り目はローラーを使って合計2回塗り重ねます。 1度目塗りの方が吸い込みがある分、やや多く量が必要となります。
表面の細かな穴の中まで浸透させるよう、コテで押し込みながら1回目を塗ります。水周りの場所にも使用できるのはトップコートでしっかり表面を覆っているからなので、塗り残しが無いよう色々な方向にコテを動かして塗る必要があります。
塗布量が多すぎると、専用トップコートが液だれしたり、白濁したまま硬化してしまうのでご注意ください。塗布量が多すぎる場合は、ローラーで余剰分を取ります。乾燥している表面に塗ると白い気泡が出来る場合がありますが、その際はコテやローラーでこすると消えます。4〜5時間乾燥させます。
2回塗り目を行う前に、紙やすりやサンダーで全体をやすりがけしておくと、より表面がなめらかになります。
1回塗り目と同様に、今度はローラーで色々な方向で塗っていきます。ローラーは未使用のものを使用し、ローラー目が残らないよう短毛ローラーを使用します。
トップコート塗りに使用したローラーは硬化剤が付着しているので再利用はできません。24時間後に完全に表面が固まってベタつきはおさまります。
完成

使用色:「ミストグレー」
古めかしいタイルの玄関階段をDIYでスタイリッシュに施工することができました。コテでつけたムラのある模様がおしゃれに仕上がりました。ひんやりとした石のような手触りです。
モルクラフト主材を塗りつける1回目のコテの模様の付け方や、モルクラフト主材2回塗り目のコテで磨く作業によって、様々な表情が生まれます。こちらはその施工の一例です。自分のイメージする模様のイメージ作りのために、本番の施工前に板などでぜひ試してみることをおすすめします。
カラーボトルの混ぜ方を動画でご覧いただけます
店舗づくりにもおすすめな施工例
特別な講習不要、扱いやすくシンプルな工程。一般的なマイクロセメントの施工よりも短い工期で仕上げることができるので、店舗の什器に施工するにも適しています。壁面、カウンターなど統一感のある上質な空間を作ることが可能です。
事例をもっと見る
汚れや熱、水への耐性を実験してみました
赤ワインとコーヒーの汚れが沈着するか
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水漏れやコップの輪染みの耐水性テスト
合板で作った木製の箱の内側にモルクラフトを塗り水を注ぎました。水が染み出ることはありませんでした。モルクラフト天板に濡れたコップを置いた跡の拡大です。水は染み込まず玉のようになっています。拭き取れば元通りになりました。
モルクラフトはキッチンや洗面台の天板へも安心して施工いただけます